【Short Ver.】夕涼みコンサート2024〜夏だ!浴衣でGO!!ライブレポート《2nd Stage》
二部、カーネーション・ピンクのミニTと白いティアードのロングスカートで、一部とは別のドアから現れた辛島さんは、席の隅々にまで笑顔を向けながら再びステージへ。「夕暮れですね。秋っぽい感じの空。薄く黄色が見えてますね」と、しばし七里ヶ浜ならではの空を眺めました。
「さっ!」と早速始まったリクエストは、槇原敬之さんが辛島さんに提供した「Favorite Phrase」から。「この曲は利他の精神ですね」というメッセージに深くうなずく辛島さん。槇原さんがこの曲を作ったのは、イギリスの種に日本の種を合わせることで冬を越せるようになったバラがあると、あるドキュメンタリーで知り、感動したから、という話も披露してくれました。「CDは華やかな瑞々しいサウンドですけど、槙原さんのデモテープはブリティッシュな感じだったんです」とのことで、この日は『Coral』バージョンとは違うテイストで。森丘さんがとびきりの笑顔で、体ごとノリノリでピアノを力強く叩くと、会場は明るいエネルギーに満たされていきました。辛島さんを包み込ハルトシさんの柔らかい声にも癒されます。誰かを思いやる気持ち、そして、それを受け取る嬉しさ。その掛け合わせで咲く人生の花は、時が経っても消えないのだなと、胸がキュンとしました。
続いたのはカーラ・ボノフ。私も大好きなシンガー・ソングライターです。アルバム『ささやく夜』からタイトル曲をというリクエストでしたが、辛島さんたっての希望で同じアルバムから「The Water Is Wide」(原曲はスコットランド民謡)が選ばれました。「この曲ならみなさんたぶんご存知だし、私も歌いたいなと思ったんです」と辛島さん。「この時間帯に合っているかも」とも。たしかに海を目の前にしたこの暮れなずむ景色にピッタリです。
ミニカホンを手に、ささやくように歌うその声が、ふくよかな鈴の音のように輝きます。ステディなギター・アルぺジオにポロロンと入る絵画のようなピアノ。森丘さんの鍵盤ハーモニカによる抒情的なソロにもうっとりしました。さらに最後の1コーラスは、クレッシェンドしてゴージャスな三声ハーモニーに。美しすぎて思わず鳥肌が立ちます。ハルトシさんの優しい声と張りのある森丘さんの声にサンドされた辛島さんが、3人の声の「鳴り」を心から味わいながら歌う姿、とても印象的でした。
続いたのは、またガラッと趣の違うCHAGE and ASKAの「僕はこの瞳で嘘をつく」。「辛島さんのテンションは去年のB'zを越えられるのか?」という再びのB'zがらみのメッセージに、
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文:藤井美保 写真:加藤千絵(CAPS)
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この記事は2024/9/21より6ヶ月間ご覧いただけます。