Short Ver. 辛島美登里Christmas Concert 「冬の絵本2021~FEAT.『オズの魔法使い』~」〈1部〉
2021年12月18日(土)、辛島美登里Christmas Concert「冬の絵本2021~FEAT.『オズの魔法使い』~」が、品川教会グローリアチャペルで開催されました。前年のクリコンと同じ会場ですが、違うのは、世の中に少しだけ楽観的なムードが漂い始めていたこと。ただ、この日は日本列島に寒気が流れ込んだため、冬晴れの東京も、夕刻には底冷えのする寒さ。コンサート参加時に今や必須の連絡先を入り口で書き、開場を待つみなさんも、北風に肩をすくめたり足踏みをしたり。きっとその分、席に着いたときには、建物の木の温もりやステージに灯る明かりに心底ほっとされたことでしょう。日常からの脱却、スイッチオン! 2020年には異様にさえ感じた開演前の静けさも、もうすっかりニューノーマルの一部です。心は伸びのびと音楽を楽しむと決めたみなさんの眼差しは、強く真っ直ぐにステージに向かっていました。
まず登場したのは、辛島さんが縁を紡いできた素晴らしいサポート・メンバー。 扇谷研人さん(pf、k)、伊藤ハルトシさん(g、vc)、はたけやま裕さん(perc)、鳥越啓介さん(cb、b)という布陣です。全員で息を合わせてオーバーチュアが奏でられると、そこは非日常どころか遥か異次元の別世界に。天空の響きという言葉が頭に浮かびました。まるで天使が降りてきそうな柔らかな浮遊感。そこに、オフホワイトのフォークロア調の装いで辛島さんが現れたものだから、もうこれは本当に天使にしか見えません。片前に下ろしたおさげのエクステンションの白いリボンも可愛くて、まさに『オズの魔法使い』から抜け出てきたドロシー。あどけなく映る表情に見とれていたら、いつしか「空の青・海の青・風の青」が始まっていました。美しい照明でステージは青の世界に。オーガニックなサウンドと、艶やかに伸びる歌声がフワーッと溶け合ってチャペルを包み込みます。
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文:藤井美保 写真:加藤千絵(CAPS)
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